短編映画『マイ・ガール』(脚本・監督・撮影・編集/神威杏次)

短編映画『マイ・ガール』公式情報ページ

『裏切られたとわかっても、どんな結末を迎えても、想い出は色褪せるものではない。それでいい。いい女?当たり前だ。俺が選んだ自慢の女だからよ。』

 

神威組原点『マイ・ガール』

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 基本データ

『マイ・ガール』My Girl

2018年 上映時間:20分45秒

【脚本・監督・撮影・編集】神威杏次

【出演】中川ミコ、坂本三成、佐々木哲平、蜂谷英昭、神威杏次、つなぎ(黒猫)

【制作協力】輿水希望

【MA協力】株式会社こだまプロダクション

【ロケ協力】アンティークス・カフェ

【エンディング曲】「Let Me Love You」歌・大原貴幸 (C)2015 Nash Studio,Inc

【制作】thanKS

【製作】神威杏次

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あらすじ

 店内では男が死んでいた。銃を握りしめているのは屈強な男・よっちゃん(坂本三成)その傍らに妻・カオル(中川ミコ)。「人の妻を寝取ったんだ。殺されても文句はいえない。」そこにやってきた翔平(佐々木哲平)は状況をみて愕然とする。実は本当の浮気相手は翔平だったからだ。男・山崎さん(蜂谷英昭)は翔平の身代わりに殺されたことになる。カフェの中で繰り広げられる駆け引き。それぞれの秘めたる想いが絡み合う。小悪魔・カオルを巡る男たちの騙し合い…と思いきや、探偵(神威杏次)を含む彼ら5人の関係には、さらなる裏があって…。

予告編(youtube)

youtu.be

 

制作裏話

【撮影は実質一日】

 当初は「とにかく撮ってみよう」で気楽に始まった企画であった本作。日程上は4月28日と29日の2日間ではあったが、2日に渡ったのはロケ場所の時間の都合によるもので、実際は合計10時間ほど。つまり実質一日の時間で撮影された。時間の制約もあり、神威はほぼ全編を手持ちカメラで撮影。カット割りを極力なくして長廻しを多用。俳優の芝居にあわせてほぼ即興で撮っていくスタイル。結果、本作品の特徴でもある「縦横無尽に動き回るカメラワーク」が生まれた。例外として、神威自身が出演するシーンはカメラマンが不在になるため、やむなく、パンやズームも一切ない固定カメラでの映像になっている。その後の「ANNA」「ハートボイルド・フィクション」と続く、神威組の製作スタイルの原型が垣間見える。

 

 【警察出動事件】

 撮影2日目の朝、よっちゃん役の坂本三成が、現場入り前に、ロケ場所近くの公園で、役の衣装である黒のロングコートを身につけ、劇用のナイフ(プラスチックのおもちゃ)をクルクル廻す練習をしていたところ。近所の住民に警察に通報され、パトカー、覆面パトカー、数十人の刑事・警察の方が、阿佐ヶ谷の駅前からけたたましくサイレンを鳴らして公園に急行する事態となった。神威と、山崎さん役の蜂谷英昭は、その様子を駅前で見かけ「あれ、覆面パトカーだよね?朝からどんな凶悪事件が…?」と、まるで他人事にように話していた。仮に、おもちゃのナイフではなく本物を使用していたら、おそらく坂本は署まで連れて行かれてしまい、この日の撮影は中止になっていたのではなかろうか。笑い話になって良かった…という逸話。

 

 【アンティークス・カフェと黒猫つなぎ君】

 脚本初稿での舞台設定は「廃墟」で、神威はロケハンで廃墟っぽい場所を探しまわったが、条件が合う場所がなかなかみつからなかった。そんな時、ネットで見たアンティークス・カフェの店内画像、アンティークな小物が立ち並ぶ風景に飛び上がった神威は、問い合わせメールの返事さえ待ちきれず、直接、阿佐ヶ谷の店まで出向いて即決。

 「廃墟→カフェ」に脚本設定を書き換えたうえ、出演もしてもらえるというお店の看板ネコ・つなぎ君のイメージに合わせ、劇中の小道具を「黒ネコ」のモチーフで統一した。

(2019年追記)劇中に登場する探偵(演:神威杏次)は次作「Anna」、さらに長編「ハートボイルド・フィクション」にも同一人物として登場。この時の流れから探偵の役名が「クロネコ(BlackCat)」になった。

 

 本編に出演している黒猫は「つなぎ君」。アンティークス・カフェ(阿佐ヶ谷)に常駐する人気者。本作では、重要な役どころで出演をお願いした。

 どこまでも自分中心である主人公・カオルのイメージは、まさに黒猫そのものであり、カフェのアンティーク感は、オールドファッションを狙う神威映画の意図とも見事に合致する。カフェの装飾と黒猫つなぎ君の存在は、映画に欠かせない重要な要素となった。

 

【黒猫のタンゴ】

神威は、当初、エンディング曲として、あの有名な「黒ネコのタンゴ」を使おうとJASRACに許諾を申請したが、当該曲が「外国曲」だったために楽曲管理会社が別に存在。交渉の結果、原盤は使用しない(あらたに原盤を作成する)条件にも拘わらず「海外から数百万の請求が来る可能性がある」と言われ使用を断念した。

 

上映・公開データ(上映記録)

・2018年11月17日

秋葉原ハンドレッドスクエアにてプレミア上映。

・2019年9月8日

座・高円寺2「ハートボイルド・フィクション」プレミア上映会にて特別上映

・2019年9月14日~2020年9月頃

YouTubeにて断続的に無料公開。

・2019年11月10日

大阪・シアターセブンにて「ハートボイルド・フィクション」とあわせて関西にて劇場初上映。

 ・2020年11月1日

横浜・シネマノヴェチェントにて「ハートボイルド・フィクション」劇場公開を記念した「神威杏次監督特集上映」にて、他の神威作品全作と共に特別上映。

・2022年2月26日

座・高円寺「神威組大感謝祭」(※神威映画2018-2020一挙上映)にて特別上映。

・2023年1月21日

座・高円寺「神威組大感謝祭・2」にて特別上映。

・2023年7月1日

大阪シアターセブン「映画『7WAYS』大阪公開プレイベント」にて特別上映。

撮影現場画像集

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