【神威組2020製作日誌】⑥プレミア上映とこれからのこと【不定期連載】

 9.12上映会から2週間が経過。関係者はみんな元気そうにやっている。これにて正真正銘の「無事」終了ということになる。「まず大丈夫だろう」とは思いつつ、やはり万が一の事があった場合の責任とその場合に派生する膨大な手間を考えると、祈る気持ちで2週間を過ごした。ホッとしました。

 

 コロナに関するエピソードとしては、上映会の一定期間前から、僕は自分個人のコロナウイルスに関する見解や予見を表に出すことは控えました。個人の考えが、団体やイベント全体の意思と見られてしまうと、他の関係者に迷惑がかかるからだ。主催者としての感染防止対策のスタンスは「自分の頭で考えて、意味があると思う対策は全部やる。」同時に「自分の頭で考えて、意味がないと思う対策でも、それをすることによって誰かが少しでも安心するなら全部やる。」つまり「全部やる。」でした。

 

 僕ら全員の想いが「できる限りの事をして、胸を張ってお客様を迎えいれよう!」で完全一致していました。

 

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  「ロビー面会禁止」がルールならそれは仕方ない。そこで僕が「受付、会場スタッフをキャスト全員でやる」奇策を思いついたキッカケは平塚千瑛さん。当初は普通に外部から受付スタッフを入れようと適任者を探していたところ、千瑛さんが「私、受付、やりますよ。」と言ってくれたのです、それを聞いて「あっ!そのテがあるか!」と思い、すぐに、環みほさんに相談、快諾を受けて。平塚千瑛&環みほの強力受付陣が決定。その意図をグループLINEで伝えたところ、他の皆も理解を示してくれ、皆が「やりますよ!」と。

    当日は、中川ミコと緒方夏生が物販スタッフとして「パンフレット、奇跡の40部完売」を!他のメンバーも、会場誘導としてずっと立ちっぱなし走りっぱなしで動いていた。上映間の座席消毒は、ハギー(萩田博之)の仕切りの元、なんと筒井巧さんまでがコロコロを持って座席をコロコロする光景が。女優陣では、萩原佐代子さん、香月あやさんも常に受付近辺にいて、なにかしらサポートを。

 はっちゃん(蜂谷英昭)を筆頭に、神威組常連男性陣はいうまでもなく、誰にも見えない縁の下でも、控室のゴミの整理や撤収時のあれこれまで尽力を。外部からの援護は、、今回、キャスティング協力で入ってくれている髙坂将軍がロビーの風景などを撮影してくれている。

 

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  特大スクリーンを舞台上で組み立て、平面でつながったスクリーンを、男性キャストが全員で「せーのっ!」と立ち上げるわけですが、その光景、僕は一段上のオペレーター室で調整を進めながら俯瞰で見ていたのですが、それはまるで「船の帆を皆で上げる光景」に似ていて、実は内心、妙な感動を覚えていました。隣には、昨年もオペレーターをお願いして、あの「何度も上映ストップ」トラブルを一緒に経験済の知江崎ハルカさんがいる。心強い。基本の流れだけ説明してあとはお任せ。仮になにかあってもなにかしら対処してくれるだろうという信頼感。そして、11時の開場時には、すでに多くのお客様が…。

 

「なにもかも大丈夫だ、いける。」

 

 午前中にしてそう確信した僕は、あとはただ、開場から閉場まで、受付や客席やオペレーター室を順次巡回するように見回っていれば良いだけでした。

 映画のオープニング音楽が流れるくだりと、ラスト20分のクライマックスは必ず、自分も場内の大スクリーンで観るようにしました。目や耳に焼きつけたかったのです、大画面&劇場音響の迫力を。

 

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 映画は、前作「ハートボイルド・フィクション」まで引きずり出して、次のステージへ向かっている。新作はもとより「ハート~」までここで再スポットが当たる流れは、「いつまでも残る、いつでも再現できるのが映画の強み。」と考える、僕の理想が具現化している状態で本当に嬉しい流れなのです。

 ここ最近、毎年、映画を撮ってきていますが、演劇のように「終わり→次→終わり→次…」ではない。「いつまでも終わらない」のが映画の凄み。頑張れば、毎年「武器」が増えていくということだ。

 「アンナ」なんて、なんだかんだ言って何回目のスクリーン上映だろう。「スモーキー・アンド・ビター」は、最終的に何度スクリーンで目覚めるのだろう。「ハートボイルド・フィクション」の歴史も、もしかしたら始まったばかりなんだ。

 答えは十年後、もしかしたら二十年後。

 その時、僕は、どこかで宝物たちをたくさん持って「神威組十年計画」(今考えた)の経路を、ノスタルジーに満ちた想いで思い返したい。そんな日がくれば幸せだ。

 

 「●●●●って若い時、こんなだったんだぜ。」なんていいながら。

 

 さて、いよいよ本作は、神威杏次念願の「劇場公開」へと向けて進みだします。

 

▼「製作日誌」にカウントしていませんが、実質的にこの「続き」となる、個人ブログの記事です。

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